この前、散髪行った時の話。散髪されながら例によって
「――で、一番リアルな中世の騎士のイメージって何かなー?って考えてたら、アレですよアレ! 北斗の拳のモヒカン! 汚物は消毒だー!ってやってるあいつら! あいつらがもう完璧に中世の騎士そのものでですね!」
「マジですか!」
「ええ! まあ、司教なんざもっとタチが悪くてですね!」(ぎゃあぎゃあ)
なんてバカ話をやってると、オーナーがふと言い出した。
「坊主といえばですね、僕この間、比A山のK本●堂の住職と友達になりまして」
「はあ」
「これが、傍から見るとヤクザにしか見えない強面なんですが、説法させると流石で、抱腹絶倒させたあげく、最後には大感動させるとゆー」
「ほほー!」
「普段は仕事があるので、めったに説法はしないらしいんですけどね。で、そこで聞いた面白かったり有難かったりする話を、本人のモノマネしながら散髪のお客さんに語ってたらですね」
「眼に浮かぶようだなー」
「うはは(笑) ある時お客の一人の〇〇病院の院長さんが」
「大病院じゃねえか……。某有名タイトルの元ゲーム開発者やフィギュアの魔改造職人もいるし、相変わらずどーなってんだ、ここの客層は」
「『オーナー、そのお話は大変素晴らしい。ぜひ一度ご本人様に、私の患者さんにお話を聞かせてくださるよう、お願いして頂けませんか』とおっしゃいまして」
「ほう!」
「聞けば、ガンなどの大病を患った方のリハビリとして、毎年皆で旅行などをされてるらしいんです。ただ、お年を召した方が増えて、あまり遠くに行けなくなってきた。そこで、今年は近くに行こうと考えていた時に僕の話を聞いて、『これだ!』と思われたそうなんですね」
「縁ですねえ」
「はい。そうと聞いては僕も一肌脱がざるを得ません。先日訪ねて行ってお願いしたところこれが二つ返事で引き受けてくれて!」
「おお!」
「しかも、折角だからと、『お寺の普通入れないところまでご案内します。ガイドは自分がします。もちろん最後の説法も自分が、特別フルコースでさせていただきます』と!!」
「うお、すげえ!?」
「熱い男なんですわ」
「いやあ、いい話ですね!」
「そうでしょー! とゆーわけで、真。さん」
「はい?」
「一緒に比A山登りましょう」
「……は?」
「いや、その翌週に、お礼を言いに訪ねるつもりなんですが、折角なんで下から歩いて登ろうと」
「はあ」
「なので一緒に行きましょう」
「(笑) いやまあ、いいですけど」
「よかった! じゃあ、得意の歴史ネタお願いしますね!」
「へ?」
「いやあ、『真。さんが行くなら行きたい』って人、けっこういるんですよね!」
「え!? いや、なに!? どういうこと!?」
「いや、真。さんに聞いた面白かったりバカバカしかったりする歴史話を、本人のモノマネしながら散髪のお客さんに語ってたらですね」
「なにやってくれてんだあんたー!?」
「『オーナー、そのお話は大変面白い。ぜひ一度ご本人様に、直接お話を聞かせてくださるよう、お願いして頂けませんか』とおっしゃいまして」
「『おっしゃいまして』じゃねえー!?」
「大丈夫ですよ。みんな学校の先生とかですから。ちゃんと話聞いてくれますよ!」
「 本 職 じ ゃ ね え か 。 待てやコラー!? 自慢じゃねえけどこっちの知識ペラッペラやねんぞ!? 超浅いねんぞ!?」
「とゆーわけで登山中にトーク、よろしくお願いしますね! あ、お得意の『比叡山不謹慎ネタ』でいいですから!」
「そんな話得意にした覚えはねえー!? いや、した覚えはあるけど!! つか、ご神域で不謹慎ネタって、間違いなく罰あたりますやんか!?」
「だいじょぶだいじょぶ♪ 上にあがってからは、ありがたい話を聞く予定ですから! プラマイゼロ!」
「いや完璧にマイナスだー!?」
「よろしくお願いしまーす♪ あ、次のお客さんだ。らっしぇー」
「マイガッ」
とゆーわけで、今度比A山登ってきます。なんだこの無理ゲー……。
神 も 仏 も な い も の か 。
いや、いるからこんな罰あたったみたいなことになってんのか。おーたーすーけー!
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