電車に揺られること3時間。我々はついに、福岡の地に降り立った!
別所を観光して回るというBeeメイト君と一時別れ、我々が向かったのは福岡ドームであった。何を隠そう、俺以外、全員が熱狂的なプロ野球ファンであり、毎年行われるこのOB旅行の目的の半分は、ちょっと離れた地域でのプロ野球観戦なのである。
MAD「むー、俺も試合はご遠慮させていただいて、阪急見に行きたいなあ」
.MD「まあ、それでもいいよ」
MAD「すみませんねえ」
熊「あれ、なんかピンクのものが」
MAD「え?」
熊「あー、今日女子高生デーなんですねえ」
梅「道理で、なんか妙に女の子が多いと思った」
MAD「さあ行くぞ諸君! 声を限りに応援しようではないか!」
.MD「あれ? 君、百貨店見に行くんじゃ?」
MAD「なにを言ってるんですか.MDさん! いやあ野球見学楽しみだなあ! うはははは!!!!」
知らなかったが、この日は女子高生であれば格安価格で観戦ができ、しかもピンクのオリジナルユニフォームがもらえるという日であったらしい。GJ! この日を選んだ俺、グッジョブ!! なんという強運! 野生の血か! セブンセンシズが俺を導いたのか!
王者の星がー俺を呼ぶー♪ 俺は侍ー♪ 呼ばれたからーはー♪
思わず一曲歌ってみたくらいである。今から見るの、ソフトバンク×ライオンズ戦だけど。
なかがわ「MAD君、ご機嫌だねえ」
MAD「何を言ってるんですか! 女子高生ですよ! ピンクのハッピ着た! しかも、さあ! 耳をすませてください!!!!」
なかがわ「え?」
MAD「聞こえるでしょう? 『やけん』とか、『うち』とか!!! 方 言 で す よ ! ! ! ただでさえ可愛い女子高生が博多弁装備なんて! マグネット・コーティングされたガンダムみたいなもんですよ! はらいそじゃあ! はらいそはここにあったんじゃああ!!!」
なかがわ「……MAD君。僕は君を見る目が変わっちゃいそうだよ」
MAD「はっはっは、イヤだなあ、なかがわさん。冗談に決まってるじゃないですか」
なかがわ「あ、やっぱり?」
MAD「ええ! ちゃんと僕は、 女 子 大 生 と O L も 愛 し て ま す よ ! 」
なかがわ「……は?」
MAD「あ、若奥様と、未亡人もね!」
なかがわ「あ、そう」
なかがわさんはそう言って、笑顔のまま50cmほど後退していった。それ以来なぜか俺と目を合わせてくれないのだが、どうしてなのだかさっぱり分からない。
さて。
試合まではまだ時間あるってんで、先にわれわれが立ち寄ったのが、球場のバックグラウンドツアーであった。オープン前の球場を、1時間くらいかけて、いろいろ案内してくれるというツアーである。
ただ、この日は試合がデーゲームとあって、時間の都合でハーフツアーとなっていた。まだ誰も入っていない観客席が見れたり、球場の裏話などが聞けたりと、なかなか面白いツアーだったのだが、記念写真が有料ってのはちょっとセコイなあ、と思った。ハッピやヘルメットを貸してくれて、「記念写真度ーぞ」ってやって、プロの人が撮ってくれるんだけど、その大判写真が1枚1,000円もすんのよね。ツアー料金、ハーフでも一人1,000円取ってるんだし、それくらいサービスしてくれてもいいのにねえ。買ったけど。
次に出向いたのは、球場併設の「王貞治ベースボールミュージアム」。日本人で知らない人はまずいないであろう、巨人、ホークスの監督も務めた往年の巨人軍名選手を記念して建てられた殿堂である。
これが、意外に面白かった!
王監督の人生を追う「歴史館ゾーン」や、実家の中華料理店の名物「肉ラーメン」(という名前だが、野菜が多くて、チャンポンに近い感じ)を食べさせてくれる食堂があったり。
また、ピッチングやバッティングにチャレンジすることができる89スタジオってとこがあったんだが、そこの「プロ野球投手が投げるボールの迫力を間近に体感することができます。」って施設がすごくてねえ! 幾人かの選手が投げる球を、ピッチングマシーンで再現してるんだけど、これがもう、半端ない! 早いってもんじゃねえ! あれは凶器だ! むかしマンガで「逃げる泥棒を、野球選手がボールぶつけて逮捕」ってシーンを読んだが、あれは現実に可能なんだと思い知らされました。バックネットに当たるとき、どっぐおぉぉぉーーーんん!!!って、爆発音みたいな音がすっかんね! 当たったら、骨折どころじゃすまねーよ、アレ! キャッチャーの人って大変だなあ。
それより面白かったのが、王貞治その人について。
MAD「あのさあ、熊ちゃん」
熊「はい」
MAD「この人、本当に現実の生き物?」
熊「ですよねー! そう思いますよねえ!?」
小学校んとき兄貴の真似をして、友達と自分たちでチーム作って野球を始める → 地元で強いチームと評判になる → たまたま通りがかったプロ選手荒川博がその試合観て「左利きなんだったら、左で打ったほうがいいんじゃね?」ってアドバイスしたら打撃に開眼。ホームラン打ちまくる → 高校入り、1年でエースで4番 → 春の甲子園で準決勝まで3試合連続完封 → 途中で爪を割り、血まみれになりつつもボールを投げ続け、決勝戦でも完投勝利。優勝。関東に初めて選抜優勝旗をもたらす → 2年夏の甲子園で2回戦、延長11回を完投、ノーヒットノーランを達成。延長戦でのノーヒットノーラン達成は、甲子園では春夏を通じて現在でも唯一の記録 → 3年の時、優勝したら野球やめて大学に行くつもり → 30年ぶりとなる2試合連続本塁打を放ったりと大活躍するが、予選の決勝戦で、サヨナラ負け → プロへ → ピッチャーとしては大したことないとみなされ、一塁手へ → プロ初安打がホームラン → でもその後全然打てず、「王は王でも三振王」と揶揄される → 荒川博が打撃コーチに就任し、特訓 → 一 本 足 打 法 開 眼 → ホームラン量産 → 一本足打法破り → 一本足打法破り破り → 江夏とのライバル対決 → スランプ → スランプ脱出、日本記録樹立へ
――みたいな! お 前 は 熱 血 野 球 漫 画 の 主 人 公 か 。
熊「世界記録保持してるホームランだけじゃなく、二塁打も日本プロ野球史上4位の本数放っててですね、安打数史上3位の安打製造機でもあるんですよ! そのうえ四球まで日本記録持ってるんですが、これが2390回と、二位の落合に1000回以上の差を付けてて、ブッチギリ」
MAD「そのうち13回は『ランナー無しでの敬遠』って、ワケわからんよね」
熊「おかげで出塁率がエゲつないんですよ! 僕、むかしゲーム用にこの人のデータ作ったら、ありえなさすぎて使えませんでしたよ!」
MAD「だろうねえ」
いや、面白かった。そらうちらのオヤジ世代が夢中になるはずだわ。「スーパースター」ってこういう人のことを言うんだねえ。
あ、メインの試合はものすごい投手戦で、大変面白かったです。杉内投手が気迫あふれまくるピッチングで三振連発! ライオンズが得点圏まで選手を進めても、真っ向勝負で切って落とす、見ごたえのある試合でした。おかげで花火と、屋根オープンも見れたよ! 杉内投手ありがとう!!
女 子 高 生 デ ー だ か ら 気 合 入 れ ま く っ た だ ろ 。
翌日の「男子デー」じゃ、キッチリ負けてるし。男の子だな! いや、翌日投げてたの、杉内投手じゃないけど!
続く!!
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