2012年11月2日金曜日
(ネタバレあり)009の映画見に行ったよ。
高校時代の友人Tと、009の映画観『009 RE:CYBORG』を見に行って来ましたよ。
映像はすごかったし、あのデザインも見慣れてしまえばいい感じだった。フランソワーズ超エロい。
ただ、話がなあ。とにかく分かりにくい。
「ハリウッドや流行りのジャパニメーションと違い、明確な答えは出しませんよ。皆さん色々考えてみてね」ってコンセプトだと思うんだが、それでも首を傾げざるを得ない。「009を現代社会にもってきた時、彼らがどういう立場になるかリアルに考証した」と言いつつジョーが「精神的ストレスを軽減するため三年毎に記憶をリセットし、ずっと”ただの高校生”を続けさせられてる」とか、陰謀でなんでも可能な世界観とか、見てて「は?そりゃないだろ」と思うことが多すぎた。おかげで違和感感じたシーンが考証が納得いかないせいか、それとも意味あるものなのか判断できず、非常に推理しづらい。
たぶん話的には
「天使の化石」が見つかり、それを見た人間が脳内で「彼の声」なる託宣を聞く。それは「人類をやり直さねばならない」というものだった。
「これは人類を一度滅ぼせ」って意味だな、と解釈した彼らは、テロ活動を行ったり、それを実現する手段として軍産コングロマリットを築き上げ、アメリカ政界の支配などを行う。
集められ調査の結果その事実をつかんだ009たち。しかし、その調査のなか、高校生としての生活を送っていた島村ジョーも「彼の声」を聞き、テロを企画していたことが判明する。それを聞いたギルモア博士は、ジョーに謹慎を命じるが、ジョーはそれを聞かず、ドバイに対する核テロを阻止しようと行動をはじめるが、失敗する。
一方、調査が核心に入る中で、真実を掴んだと思われるピュンマやグレート・ブリテンが行方不明となった。
ジョーは、敵なのか味方なのか。姿を消した二人はどこへ行ったのか。
謎が深まる中、ハインリヒは、アフリカでの遺跡調査中に「天使の化石」を見つけていたピュンマによる考察を披瀝する。それによれば、人が進化の中で「死の恐怖」から逃れるために「神」という存在を創造したように、「天使の化石」というありえないものを見た人々は、その衝撃から逃れるために「神の声」を脳内で作り出し、聞いたのだという。そして、ジョーのように、脳を強化されたサイボーグは、その影響を受け易いのだ、と。
その頃、009らと袂を分かち、NSA(アメリカ国家安全保障局)で働いているジェット・リンクは、ドバイへの核攻撃の責任をギルモア財団へ押し付けようとするNSA上層部によって拘束されようとしていた。あわやというところでNSAを狙ったテロが起き、闘争に成功したジェットだが、監視カメラに映っていたその時の映像を見て愕然とする。テロを起こしていたのは自分自身だった。彼もまた、知らぬうちに「神の声」に操られていたのだ。
アメリカ軍のサイボーグ部隊に襲撃されるギルモア財団本部。ついで、絶望的な報告がもたらされる。米軍の原子力潜水艦が消息を絶った。「神の声」を聞いた兵士によってジャックされたらしい。そこには、人類を滅ぼすに足るICBMがつまれている。
無数のサイボーグ兵士と闘うゼロゼロナンバー達。その中で、ついにICBMが発射される。
ドバイでの核テロに巻き込まれながら生き延びたジョーは、ジェットの力を借りてICBMの破壊を目指す。宇宙へ飛び出し、なんとかICBMに取りついたジョーは、叫ぶ。
「人は愚かな生き物だ。集まるとどうしようもなく愚かなことをしでかす。でもそれを超えようとして頑張っている。それをなぜ滅ぼそうとするんだ。答えてもらいたい、”神”よ!」←うろ覚え
爆発。
そして、終幕。
009が目を覚ますと、そこは海上の島。フランソワーズが語りかける。ここはギルモア財団の保養所。そこへ、姿を消していたピュンマやグレートブリテンたち、他のゼロゼロナンバーたちも集まって来る。
ジェットともども、なぜ自分たちは生きているのかと問うジョーに、フランソワーズが答える。私は思うの。”彼”は超えられない試練は与えない。こんなにも平和な世界なのは、世界を救った人が、強く願った世界がそうだったからじゃないか、と。そして、語る。あの「天使の化石」は「化石」ではなく、ジョーのように試練を超えようと抗った、過去の勇者たちを顕彰したモニュメントなのだと。
神は妄想の産物ではなく、実在したのか。
「人類をやり直さなければならない」というのは、愚かさを超えて、一つ上のステージを目指せという意味だったのか。
数々の謎を残して、カメラは引いていく。
そして最後に月に残された巨大な「天使の化石」を映して、エンド。
……。
…………。
………………。
うん。
そうか、なるほど。
さ っ ぱ り わ か ら な い 。
こーゆー「雰囲気」を楽しむ映画なんだろうなー。まさしく押井守の弟子。でも、ゴメン。俺、押井守苦手なんだ。昔、アニメ大好き!で『天使のたまご』やった時も見ながら爆睡したって、アレは大概の人が寝ますかそうですか。
巴はフランソワーズが作り出してた存在で、だから最初の襲われるシーンで映像に写ってなかったんだろうなーとか、「上に登ろうとする存在」だから「翼を持つ者」のモニュメントなんかなーとか細かいとこで色々思うことはあるが、メインのお話について。
ギルモア博士がカリスマも何もないただ老害オヤジに成り下がっているとか、001が起きっぱなしで便利すぎとか、008が空気過ぎとか、それはさておき、自分として残念だったのは2つ。ひとつは009にどうしようもなく、感情移入できないこと。映画の初盤に「記憶を取り戻すために」ジェロニモに襲われたり、ビルがテロで壊されたりするシーンがあるんだが、その時にジョーはデートしてた女の子(巴ちゃん。どうもフランソワーズがジョーを見守るために作り出していた仮想現実な女の子っぽい)のことをあっさりほうっておいて省みもしなかったり、ドバイが核テロを受けた時、加速装置で自分だけとっとと逃げ延びて誰も助けようとせず、終ったあともそのことについて後悔も、煩悶もしなかったりと、とにかく「人間味」を感じる場面がないのである。ある意味、サイボーグらしいっちゃ、らしいですが、「正義の味方」の態度じゃないよなあ。
そして、もうひとつは、00ナンバーが格好いいシーンが少ないこと。ジョーが無双するシーンはあるが、基本的に皆苦戦してて、爽快感を感じるシーンがありませんのよ。やはり最後の米軍が攻めてくるシーンくらいから、00ナンバーが大活躍する場面が見たかった。ピュンマなんて、戦闘シーンすら無いしな!
話としてじは、感想スレに書いてあった通り、最後のメタファ
16 名前:見ろ!名無しがゴミのようだ![] 投稿日:2012/10/31(水) 02:14:49.36 ID:N7iP96XH
ラストシーンで003や007が水の上を歩いていたけど、
あれはどう解釈したらいい?
やっぱ神の介入で、世界が変質しちゃったんか?
20 名前:見ろ!名無しがゴミのようだ![] 投稿日:2012/10/31(水) 03:18:33.54 ID:5AaK67gF
>>16
単にキリスト教的救世主としての記号に思えたけど。
爆発の光が十字架
死んだ後に復活
水の上を歩く
方舟のオブジェ
パンとワイン
が暗示するように、島村ジョーが試練を乗り越え救世主となり、新世界が誕生した、って解釈になるのかな。
物語には明確な解決が欲しくて、現在のジャパニメーションとハリウッド超大作のベタな展開が大好きで、デウス・エクス・マキナが苦手な自分には、肌に合わない作品でした。あ、映像と音楽はすげー良かったよ! あと、有名作品のリメイクにもかかわらず、俳優使わず、ちゃんと実力派の声優をあててくれているのは素晴らしいことだと思います。小野Dのジェットは、ちょっと違和感あったけど。
同じ監督とスタッフで、ベタな展開のやつも作ってくれないものですかね。傑作になりそうな予感がするんですけど。
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